暁のエクスタシー ★/atsuchan69
彼女の手を放した。
「3・2・1‥‥0」
真っ暗な砂浜には、波の音しか聞こえない
「あれ? 飛ばねえぞ‥‥」
と言う、私を、見事に裏切るかのように、
忽ち、ミサイルはシューンンンンンという高熱ガスの噴射音と、
凄まじい化学反応が生んだ色鮮やかなオレンジの光と白煙とともに
星々の煌めく夜空へと
火炎の軌跡を残して 消えた
「終わったわ。これですべて」
「で、あれはどこまで飛んで行くの?」
「‥‥」
彼女は僕の質問に答えなかったが、
ややあって、デミタスカップに収まる程度の溜息を吐いた後、
「行きたいところは、もちろん今から美しい『永遠』のはじまるところ
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