意義のある人生のために/小川 葉
のことだった。
それでもわたしはこれでも怠け者なので、いくら遅く帰っても朝の出社時間まで行かなければ遅刻扱いになるのだから、ほんとはそうしなければならないのだが、それもまたばかばかしくて、わたしは毎日午後から出勤していた。どうせまた仕事は朝まで続くのである。しかし驚いたことに、前日、いやさっきまで職場にいた人が、朝9時30分きっかりに出社してくるのである。そうしなければ給料が引かれるのだから、生活を守るためにはそうしなければと遂行され、それがあたりまえの基準となっていくのである。
だからわたしはひとり、ばかばかしくなったので、震災をきっかけに、これ以上はもうたくさん、という思いで故郷の
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