烏も死なない平和な日本で脳髄から腐っていくよ/田園
ないための線引き。
犯罪者にはなりたくないと、すれすれのラインで思っていたから。
「ジュンコ、飯。」
子供の様に後ろから抱きついて、ちゅっちゅ、飯をせがむ。
ジュンコは煩わしそうに、
「トーストにバター塗って食べたら。」
とだけ言って、化粧を塗っている。
ジュンコの仕事は近くのスーパーの社員。
顔が童顔の為、いつもバイトと馬鹿にされるが、もう6年目である。
ジュンコの顔には、頬から喉に向かって、火傷の跡がある。
昔、熱湯を被ってしまったときの火傷が治らない。ジュンコは厚く化粧を塗って誤魔化すが、本人はもうこういうものだと諦めていた。
諦めていると言え
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