烏も死なない平和な日本で脳髄から腐っていくよ/田園
言えば、ソラタとの関係も。
初めには恋だの愛だのと言う感情があったかもしれない。
それこそうぶな高校の時には。
しかしもう26。
ヒモ男には最早何の愛情も無かった。
ただあるのは同情と、奇妙な安心感のみ。
ジュンコはこの奇妙な安心感に囚われ、この非生産的な、愛でもなんでもない関係を、ずるずると続けていた。
「死にてえなあ。」
ソラタは畳に寝転がり、ジュンコに貰ったipodで音楽を聴いた。
それに統一性は無く、高校英語の参考書についてたCDなんかも入っていた(やろうとは、思ったんだろうが、無論なにも勉強などしていない)。
心は何にも動かなかった。
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