文学的なものと哲学的なもの/kaz.
一つが、哲学者にとってのステップになる。そうしてステップを一段一段踏みしめて、最終段階としての真理へ到達することが哲学者の目標になる。「本当の『私』は、どこにどんな形で現れるか」、「『私は死んだ』のなら、死んでしまえば私と言えるのではないか」という疑問の一つ一つが、結論のための足場になる。
文学が具象へと散らばっていく目線、視点の複数性によって一つの語りを生み出さないことに終始するのに対して、哲学は散らばった複数の方向から一つの結論へと導こうとする。文学が発散するなら、哲学は収斂する。文学は既にある事実に対して新しく解釈を生み出していくのに対し、哲学では事実の有無とは無関係に解釈を生み出そう
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