鎌倉のこと/渡邉建志
 
かし教会だったところで。





すこし離れたお寺へあるく。Aちゃんは、僕が早く歩くのでおどろく。数キロ歩いて疲れてバスに乗る。おそばが振舞われるのが目当てなのだというので、あいかわらず食いしん坊なかんじでかわいいなと思う。Aちゃんはずいぶん美人さんに変わったけれど、いまだに初めて見たときの彼女が書く詩のような清新な印象のままでわたしには写っている。明王院の初不動。護摩をたいているのをはじめてみる。Aちゃんはお寺の娘さんだからいろんなことを教えてくれる。聞いてなるほどーなるほどーという。護摩って言う物事をわたしはしらなかったのである。前から割り箸が回ってきて、後ろの人に渡してく
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