「なんてかわいらしんだろ人間て」/モリマサ公
に後悔した。
絶望していろバーカ。
壊れた人工衛星が頭上をただゆっくりよこぎってもう誰のものでもない。
真夜中のビニールハウスで電灯がいくつもばかみたいにひかる。
その中にいるぼくたちの花はばらばらな角度に咲き乱れる。
地上でのわたしたちの思い出のにおいがにじむ。
すごい明確な曖昧さにしがみついてる今。
からっぽのバスタブの裏側で。
バラエティ番組の笑い声が遠い。
限りなくグレーな風景のなかを歩いてく。
そこまでしあわせでないかんじがする支配。
必要以上に絶望することによって捏造されてく「傷」の存在。
とっても安全な痛み。
「なんてかわいらしいんだろ人間て」
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