【 詩的恋愛論 】/泡沫恋歌
真実として人に伝える。何よりも自分の世界を愛しているのだ。小さな内なる宇宙へ、そこには彼女自身を形成する全ての記憶と創作のイマジネーション、そしてパッションがあるのだ。
もっとも詩人のコアな部分、そして自己愛に凝り固まった本性が隠れているのだから……他人には決して覗かれたくない。要するに、それが詩人の魂なのだ。
――かつて、恋愛詩を書きまくっていた黎子自身が「恋愛」を一番信じていない。
もう、「恋愛」などという欺瞞に満ちた言葉は要らない。
信じれば傷つく、信じられなければ悲しい、そんな曖昧な感情で心を掻き乱すのはもうお終いにしたい。愛してくれなくてもいいから、自分を理解して
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