白痴王の湖/和田カマリ
 
父さんの、禿頭のニオイと味が蘇った。

「王になって、処女とやりまくりたい。」

 骸骨は急に発光しだした。じっと見つめていた俺には、自分の身体から魂が抜け出て、誰かの意識に超速度で飛んで行くや否や、霊的な刷り込み作業を開始したのが体感できた。オーヴァーライトが進行するにつれ、だんだんと眠くなって行った。


気が付くと俺は、寒い地方の湖で、立ち泳ぎをしている一羽の白鳥になっていた。他に雄はヨボヨボのが一匹だけで、周囲には肉付きの良いセクシーな雌たちがワンサカ群れていた。

中でもブラックスワンのナタリーは(勝手に命名した)冷水の中ですら、この俺を勃起させてしまうくらい、物凄いフ
[次のページ]
戻る   Point(1)