白い本/……とある蛙
 
の道が黄色の空に向かって畝って登っている。空には木造二階建の校舎が見える。壁が茶色なのか白色なのか写真が古くて曖昧だ。
その中を疾走する両足が僕にはあったのだが最近両足の付け根が瘤のように膨らんでしまって、足が回転しない。耳から聞こえる音は妙な金属音で別に気に障るほど周波数は高くないのだが、下腹に響き排泄を催させる。
異常な腹痛と足の付け根の疼痛脂汗と共にまた這うようにして裏側から外側に這って出て行く感覚に襲われる。しばらく時間の薄膜に覆われて一度点になった視界が次第に拡大されて行く。

 今、自宅の一室にいる。白い本を開ける気がしないので机の上に放り出しておいた。
悦に入った詩集やこれ
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