田村隆一論??フィクションの危険/葉leaf
 
ance acts)、発語内行為(illocutionary acts)、発語媒介行為(perlocutionary acts)に分ける。発話行為とは、単に言葉を発することである。発語内行為とは、何かを指示しかつ社会的慣習やその場のコンテクストに応じて命令や約束などを遂行することである。発語媒介行為とは、発語内行為を行うことで相手を喜ばせたりなどの副次的な効果を発生させることである。サールの見解によれば、フィクションは発語内行為のレベルの問題である。
 サールによると、虚構的な発言を行う人は、表現された命題が真だという立場に加担していないし、その命題を真だとみなすべき証拠を持っていないし、その命
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