みんな眠ってしまった/はるな
 
なってしまう。自分が何を好きで、何を選んできたのか。ただただ与えられるものをお行儀よく食べてきたみたい。(そんなことはぜんぜんなかったのに)。

わたしはあまりそうではなかったけれど、妹は食べ物の好き嫌いが多かった。いまでも覚えている。泣きべそをかいて拒否する妹に、怒ったりなだめたりしながら食べさせようとする母。その横でいつもの、諭すような静かな口調で、
「食べないと、からだができないぞ。からだはごはんでできているんだ。」と言う父。
わたしはそれを横で聞きながら、みょうな気持ちでいた。わたしは今からたべるかぼちゃで出来ているのかしら?じゃあわたし、かぼちゃなのかしら?
わたしはかぼちゃが
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