ただしさと真実に関する考察と覚書/はるな
 
れるだろう。生活していると、そんなふうな局面はいやになるくらいある。わたしは差し出すだろう。わたしの「ただしさ」とも、物事の「真実」とも違うものを、わたしは差し出すだろう。
しかしときにそれは物事に対するただしさになり、わたしに対する真実になるかもしれない。優しさのない正しさと、価値のない真実。

さてでは「ただしさ」および「真実」がいったい何物であるかを語る必要がある。しかしわたしにはそれが難しい。わたしがあなたたちにわたしのただしさを強要しない理由も、そこにあると言えるだろう。ただしさを説明するのはひどく困難だ。たぶんそれは、ただしさが感覚的なものであるからだと思う。それではただしさとは
[次のページ]
戻る   Point(5)