10-31/はるな
 
死んでも同じことだ。生きていることそれ自体は、良いことでもないし、悪いことでもない。仕方のないことなのだ。
生きているということは、仕方のないことだ。
笑ったり怒ったりして、時間を理解しなければならない。

わたしは、時間というものを適切に感じることができない。
ちょうどダリの絵のように、それは蕩けたりゆれたりしている。また、同時にいくつかが進行していたりもする。ぽっかりと、不自然な具合に抜け落ちたりもしている。でも、わたしのなかから時間が抜け落ちているのか、時間のほうからわたしが抜け落ちているのかはわからない。記憶を共有することがひどくむつかしい。思い出話をするときに居心地がわるい。で
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