物語?半物語?物語/葉leaf
 
きなり妻が船虫になる)ことから、謎が生まれている。また、全体として何を言いたいのかも判然としないという謎もある。この「謎の投げかけ」こそが、廿楽の詩の行っている行為なのである。それによって、読者は詩的感興を覚えたり、解釈に導かれたりする。それによって、読者の批評行為が導かれ、それが作者へと伝達されることで、さらなるコミュニケーションが生まれたりする。

3.物語―半物語―物語

 物語というものは個人の中で確立した認知の枠組みであり、言説は物語という形式をとることで聞き手や読み手によく理解される。物語的であることは、有意義な情報を伝達する際の一種の規範として作用していて、それゆえ物語性のな
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