物語?半物語?物語/葉leaf
 
手に伝達するものである。その際、聞き手の注意を引くために始めに結論や評価が投げかけられたり(「面白い話があるんだ」など)、聞き手を納得させるために最後に明確な主張が投げかけられたり(「こうして俺は偉くなった」など)する。引用部にはそのような主張の投げかけがないという意味で、通常の物語行為をしていない。但し、廿楽は作品「木のよう」において、端緒と末尾において「木のようなのだった」という作品全体に向かった評価を加えているが、むしろそれは例外である。
 では、廿楽の詩は一体どんな行為をしているのか。それは、1.で述べた廿楽の詩の非物語的な特性から導かれると思う。まず、通常の因果関係を設定しない(いきな
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