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「おまえら女連れ込んでたのか」
「そこは察して言わないだろ。秘するが花だろうが」
「知るかよ。おれも誘えよ」
「いやな、そいつがまた恐ろしくてな………………」

 昼が過ぎる。

「アッハッハ」
「アッハッハ」
「アッハッハ」

 三木、佐々木、恵美子の三人が笑い声を上げている。それぞれ血まみれのタオルを持ったまま。それぞれ学生服を着ている。ベッドの上に腰掛けたまま、テレビのバラエティ番組と同時に、ぼくはそれを見ている。退学届と保険証を握り締めながら、震えていた、いや、震えようとしていた。歯をかちかちと噛み合わせるのを真似るのは案外難しいものだと思いながら、シーツを掴む手の力
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