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ゆっくり脳に入った。
「そんであれどうしたんだっけ? 一応下ろしてきたけど」
 ああそれはいまからしようと思って、と冷蔵庫をもう一度開ける。凍った金が入っている。いや、本質的には凍ってはいないが、少なくともぼくの目には、凍った金がそこにはあった。
「いまからっておまえ別に話してなかったじゃん」
「話そうと思ってたんだよ」
 二十三万。これに佐々木の持ってきた二万を足して二十五万。茶封筒の中のそれらはじっと息を潜めていた。
「あれって?」
「三木には話してなかったっけ?」
「いや話してるよ。現に貰ってるし。忘れてるだけだろ」
 佐々木が財布を取り出す。妙にあっけらかんとしていた。陳
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