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、じゃない、恵美子、ああ恵美子だ恵美子」
 顔をしかめながら飲んで三木が言った。爪に垢が溜まっている。
「そっか」
「また淡白なふりしてるなおまえ。誰か呼ぶ?」
「佐々木とか」
 ああもう呼んだ、という声にインターフォンが答えた。出来すぎだと思った。
「うーい」
 昼間からクズばっかじゃねえか、と開口一番大笑しながら部屋に入った佐々木にうるせえニート、と三木が返した。おれはフリーターだと反論する佐々木の口の端にソースの跡が付いている。
「おいてめえもだぞホモ野郎」
「えっ? おれ?」
「バレたからって一人称変えんなよ」
 適当に笑いあう中でも人身事故のニュースが耳の端からゆっ
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