夢の入口 2011/たま
 
育てては「対」になることを
拒んで老いていくという
ふたしかな約束でしかないくらしのなかでわたしはいつ
もとおい愛をみつめてはあなたを愛してはいけないなん
ていちどもおもったことはないけれど夢のそとにいても
なかにいても愛はいつも他人なのだと知ったからいつも
のように夜がきたらなにもかも乱暴に投げ捨てて眠って
しまうのです
だからもう、おやすみなさい
あなたに罪はないといくどもつたえたはずだから

ありがとう
あなたに手伝ってもらって夢のなかもそともすべてさが
しつくしたのにどうしても見つからなかった
あした死ぬかもしれないといいながらほんとうはもっと
こわいことがあ
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