川原/α
 
あるということは造営した者がいたということであり維持管理する者がいるということは至極当然のことであり人が水を得るためであり故に人は水を得られるのであるが蛇口の奥の向こうを遡った先までを忘れた者が多い為に水の道を捻り閉ざし自らを壁の内に鎖す。
 鸛も電柱に巣を作り極限地帯の微生物がシャーレの中で死滅するように生地で生きる以外に何ができるだろうか。
 今日も変わらず川は流れ流れている川は灰色の景色の中を灰色の線として存えている。川原の石を踏みつつ川縁を歩き手頃な石を返す素足の肌には飛沫が涼しく音はまだ流れている。
 川辺の風は強く白く滑らかに削られた四角い石を返せば土から剥がされて土の湿ったにお
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