【 月詠み 】/泡沫恋歌
 
を越え
ひとり天上を目指し昇りゆく


  黒い月

自然破壊 環境汚染 
そして核戦争
望み過ぎた人類は 
自ら墓穴に墜ちた
科学の力で 
神に近づこうとする人類を
嘲り嗤うかのように 
神が罰を与えた

草木は枯れ 水は干上がり 
空気は黒い毒ガスに
青い惑星は
生き物が死に絶え 
死の星になった
人類の累々たる屍が 
未来を呪って横たわる
地から這い出た蟲どもと 
貪欲な鴉が死肉に群がる

太陽は昇らない 
星々は瞬かない 
そこは常闇の世界
荒野を渡る風が 
引き裂くように啼いた
まるで地球の
断末魔の叫びのように 
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