【 月詠み 】/泡沫恋歌
 
 
人類の傲慢さに 
神は怒りの鉄槌を打った

人類の末路を
黒い月が見下ろしていた


  蒼い月

漆黒の闇の中 
蒼い月が出ましたら
魔女の化身 
黒猫は月に嗤う
今宵 愛しい男に
呪いをかけませう
あなたを誰にも渡さない 
逃さない
どんなに足掻いても 
後戻りはさせないわ
月夜の接吻は 
何故か血の味がした

星屑も消え 
蒼い月は水面に揺れる
魔女の化身 
黒猫は月に啼く
今宵 
疵つけ合うように求めあう
あなたを恋い慕う 
この熱情は狂気となり
闇を引き裂き 
無限地獄へ堕ちていく
愛の刻印 
背中に深い爪痕を遺します


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