W.K.第六回「宇多田ヒカル『ULTRA BLUE』〜青空に沈む」/たもつ
2000年代も後半になればなるほど伸びません。
したがって、2006年に発売された「ULTRA BLUE」が百万枚に達しなくとも、それは宇多田ヒカルというアーティスト個人の失敗とは言えないし、現に、当時のアルバムの売上チャートでは、初登場で一位も記録していることを鑑みれば、少なからずとも当時はそれなりに売れた、という評価も可能です。
しかしながら、2008年に発売された五枚目のオリジナルアルバム「HEART STATION」が百万枚を超えていることを考えると、宇多田ヒカルというアーティストを軸にすれば、やはり売れなかった、という評価は妥当であるし、その売れなかった理由が音楽業界を取り巻く状
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