W.K.第六回「宇多田ヒカル『ULTRA BLUE』〜青空に沈む」/たもつ
に秀逸で、また、最後という位置取りもいいです。
暗闇の中を航行するような「海路」から始まって、第一部や第二部で感じられた浮遊感や高揚感は息を潜め、ゆらゆらと揺れながら、ゆっくりと空に沈んでいく雰囲気があります。「海路」から始まっていますが、沈んでいく場所は空です。絶対に。等身大の宇多田ヒカルを浮遊感や高揚感で作品として仕上げたのが第一部と第二部ならば、第三部は、心の暗部を言葉を振り絞って生々しく歌い上げている感じです。そしてラスト「Passion」が、やり切れない悲しみのような余韻を残しつつ、アルバムを締めます。
そういえば、アルバムタイトルの「ULTRA BLUE」は三曲目「BLUE」か
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