遺書にはならない足跡/セグメント
 
すい、精神的に脆い自分自身の性質のこと。様々なことを過去も現在も抱えているが、私はようやく、恋人と生きて行きたいと思えたのだ。小説家になる夢も頑張って叶えようと。そういったことも、もう一人で考えなくていいのだと。
 厳密に言えば、私は一人きりではなかった。前記したように友人に恵まれ、死を思うたびに友人に救われ、道は一つきりではないことを示して貰ったのだ。それはカンテラの灯のようにとてもあたたかく、大切で、嬉しいものだった。
 友人を軽んじるわけでは決してないが、恋人と友人は違うのだということを、私は今、思い知っている。
 現在の恋人の前にも一人、付き合った人はいたが、その時にはこのような気持
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