遺書にはならない足跡/セグメント
それが、期限付きのものであったとしても。父だけは、最初から最期まで私を好きでいてくれたと信じているが、他に関しては決してそうは思えない。そうは思えないと思わなければ、説明の付かないことだらけだ。何故、私は、あのような時間を過ごしてしまったのだろう。過ごさざるを得なかったのだろう。他者と比較してもほとんど意味など持たないのかもしれないが、私は、おそらく私の知る友人の家庭環境とは掛け離れたところで育ってしまった。正直、違う母親の元で育っていたら、私はどんな人間になっていただろうという疑問が尽きない。
愛されたが、最終的には愛されなかった。家族と呼べるはずの人間達と、疎遠というよりも、絶縁に近い形に
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