遺書にはならない足跡/セグメント
 
きて行けばいいのだろう。薬を飲んでも落ち込み続ける神経は、一体どこに向かおうとしているのだろう。そして、震災以降に強く覚えるようになってしまった孤独感と、どうやって向き合えばいいのだろう。何をしても考えても喜んでも悲しんでも、まるでひとりごとのようで。作家になるという熱にすら、私はそれの侵蝕を少しずつ感じて始めている。それだけは止めなければならない。だが、そう思うことすら、ひとりごとのようで虚しい。ありふれた表現だが、私がいてもいなくても世界は廻るのだ。それこそ、私が作家になろうとならなかろうと。必ず、世界は廻る。それでも私は、こんなにも擦り切れた神経を抱えて孤独と向き合い、影のように死を連れて生
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