遺書にはならない足跡/セグメント
掛けるか分かっているし、私自身、そのせいで遅刻したことなどは幾度もあるのだが、あのような時はもうそのようなことを考えるキャパシティはどこにも残されてはいないのだ。
私は、あの衝動性が怖い。怖いということは、死にたくないということだろうか。私自身のことなのに良く分からないのだ。だが、上階の見知らぬ人間を要因として私という良く知る人間を見捨てることは、ひどく悲しく、腹立たしいことのようにも思える。上階の件だけに限らず、医者に指摘された通り、私は人より少しストレスを感じやすいのだろうと思う。また、良くも悪くも繊細なのだと。そんな私だからこそ書ける物語があり、私は心底から作家になりたいのだと思ってはい
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