遺書にはならない足跡/セグメント
 

 最前の策としては最早、引っ越すしかないことは良く分かっている。重々、承知だ。だが、今すぐにはそれが叶わないので資格取得も含めて努力中であるのだが、その努力、もっと言ってしまえば私の日常がばらばらと降り注ぐ硝子のようになってしまっていることが、とてつもなく痛く、息苦しい。
 基本的に私は自宅へ帰る。だが、基本的に私は帰りたくなくなってしまっている。帰ったところで、イヤホンによる音楽は決して手放せない。聴いていない時は、入浴中と化粧水などを付けている時くらいだろう。就寝時は耳栓をしている。メンタルクリニックに通い、服薬している。耳鼻科にも時々、行っている。
 ここまでして私は生きていた方がいい
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