遺書にはならない足跡/セグメント
 
。今の自らの心情も、本当には何を記したいのかも、この行為に果たして意味があるのか、また、意味を欲しがっているのかすらも。
 私の感情や行動を甘えだと感じる人もいるだろう。思考や性質を異質に思う人もいるだろう。幼稚な自慰行為だと笑い蔑む人もいるだろう。だが、私は本当の意味で私が私個人とは結び付かない、「誰」も私のことを知らないこの場所で一度、書いてみたかったのだ。私という苦悩とでも言うべき、あるいは悲嘆や驚愕、あるいは混乱であり困惑、あるいは生きることと死ぬこと、はじまりからおわりまでの全てを。まだこうして生きているわけなのだから終わりは書けないだろうが、私はこれを揺りかごから墓場までの心持ちで書
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