遺書にはならない足跡/セグメント
け、何もなかったことにしたいだけなのかもしれない。
良く、世の中では「正解も不正解もない」だとか「頑張ることや努力することに意味があるのであって結果が全てではない」だとか「嘘も本当もない」だとか、そういう如何にも「正しいこと」であるかのようで「真実」であるかのような言葉が多少の形や表現を変えて不確かなまま、撒き散らされている。そして、それを多くの人間は、たとえそうとは言わずとも心の奥底の透明なところで受け入れている、理解している、理解しようとしている、悟っている、分かっているように見えるのだ。少なくとも私には。
かく言う私もその内の一人かもしれない。それこそ「正解も不正解もなく嘘も本当もな
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