ホームステイ/北村 守通
真っ黒い口をあけて私たちを迎えた。私には認識できない何者たちかの住居になっている場所であったので、私は失礼のないように軽く会釈をしてからそこをくぐった。途端、生暖かい空気の流れが私の周りにまとわりつき、色々と品定めをされた。色々なところを触られたり、もしかすると舐められたりしたので、セクハラだと訴えたかったが、そうした根性を持ち合わせては居なかった。かといって尻を突き出して見せるほどのサービス精神も持ち合わせてはいなかった。私の後ろには彼女が続いているはずだったが、どうなっているかを確認する術は持ち合わせていなかった。けれども、おそらくここには私よりも彼女と同質の存在が多く存在しているはずであった
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