ダイアローグ ー野良猫その3ー/……とある蛙
花もなく、いつも不安定な曇り空! ―
北の海は暗いだけで、オレがひょこひょこ歩いているのをずる賢い鴉がじっと狙って眺めていやがる。オレは母猫の腹に縋り付こうとしたが、母猫はそのうちどこぞへ消えていった。
何やら、やせ細ってふらふらしながら。
何を飲めたのか? 何もノミはしない。
突然雨が礫となって吹き上げてきた。
泣きながら、オレは空を見ていたが ― 飲めなかった。 ―
空きっ腹には何の足しにもならなかった。
オレは街に出たさ。
街には子猫好きを自称する薄汚い娼婦がたくさんいて、オレに餌をたんまりくれる。オレは浮かれた。抱きしめられ頬ずりされそのうちリードでベ
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