待子さん/salco
 
るので下に降
り、まだ動揺している母親にカップラーメンを出させて自室で食べた。

 いつしか炊き加減が毎日のように変わり、冷凍食品やレトルトものばか
り出すようになった。それでおどおどしているのが、よけい気に障る。
「手抜きすんなよ。一日何やってんの?」
「ママね、頭が痛くて」
「言い訳すんなヒマなくせによ。家にいる意味ねえだろ? 死ねば?」
 ひどい事を言った。刺されたように立ちすくんでいる。引っ込みがつか
ず、憤懣を装って宅配寿司のメニューを命じた。

 生米を茶碗に盛った時には、目つきがおかしくなっていた。父親が病院
に連れて行くと、脳室の拡大を告げられた。投薬治療が
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