いつのまにか八月がそこ。/榊 慧
、僕たちは中身を食べたあとの枝豆のさやをザルの下の受け皿に押し込んでいく。トーは食べるときは何にしてもそうだが、ペースが速い。
「速いよトー。」
「作ろうって思ってたんだよ、」
え?
カルトンケース。ケースってか、カルトン入れるカバン?
「でもなんか時間もなかったしあったかもしんないけど精神的にそんな時間は作れなくてさあ、ずっとむきだしのままだったんだよね。カルトンケース、画材店で見たら結構な値段もしたから適当な布でカバン作ろうって思ってたんだけど、やっぱむきだしのままでさ」
死にたい死にたいとか毎日思ってたやつにそんな余裕ないもんね。
だからまあ、とにかくいつか作らないとなあとか思
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