白の海域/葉月二兎
と呼ぶにふさわしい。
―――坂部恵
<無−人称> non-personne というこの余白に他者が現前 presence en personne する。
この<無>という語について、かつてベルクソンが執拗なまでに忠告(caution)した、偽の
問題、「錯誤」・「錯綜」に陥らぬように、そして真の幻想へと我々を誘うべく、
この『Phantasmagoria』は、そのように注意(caution)を繰り返す……あたかも、
「行方のない回廊」を「青白い 鬼火」が、
<ここ>を巡る我々にその幻灯を灯すように
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