白の海域/葉月二兎
あなたや、
それら。
「赤子の指」という断片=残余(remnant)から、「繁茂する水の渇き」を満たすようにして、
「とろとろ、と/三人称が零れている」
――「わたしや、/あなたや、/それら。」
しかしながらこの「とりろーぐ=tri-logue」において、既に「わたし」は亡く/無く、
その眼差しは閉じられている。
だが、この「三人称という代名詞は、客観的・対象的な領域を指示している」に留まっている
がゆえに、
実際の<語る主体>としての人間にかかわらぬ……むしろ<無−人称> non-personne
と
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