白の海域/葉月二兎
 
不在

                                場所しか

                               ―――ステファヌ・マラルメ

  この眼差しの不在の場であるこの余白、そこに流れているのは声なき声としての
「沈黙 」の、“他者そのもの”の対-話(pour-parler)である。
  それも眼差しの不在によってそのイメージの剥奪されている“他者”である。

   対話との対話を
   繰り返す赤子の
   指はたいてい傾いていて
   そこから
   とろとろ、と
   三人称が零れている
   わたしや、
   あな
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