午後の化石/たま
 
、ひとつだけね


伏せたトランプをめくるようにカーソルをあてると
ウィンドウズワード2002が開いた
  
それはHが書いた詩だった


  人 間

 ひとはね
 ひみつが多いいきものだから
 間がいるの
 間がなかったら息がつまって死んじゃう

 でもね
 手をのばしたらとなりのひととつながるの
 とおくはなれた街までつながるの
 小鳥や仔馬とだってつながるよ

 まほうの手をもってるの


ふたりは互いの素性をほとんど知らなかった
ひみつにしとこ ・・
それがHの口癖だった

 ねぇ、だいて ・・。

Hのまほうの手がのびてわたし
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