午後の化石/たま
 
たしの首にからみつく
エアコンを切って身ぐるみ脱いでふたりの体温の差を
たしかめあって、冷たい方が下になる
めずらしく今日は、Hが上だった

なめらかな起伏を押しつぶすようにわたしに身体を預
けて、Hはすべての隙間を塞ごうとする
そうして、地殻のマグマをもとめてふかく深く、どこ
までも攻めぎ合うふたりのプレート

やがて、あふれでるものに閉じこめられてふたりは、
午後の化石になる


 なぜ詩を書くの?

 わかんない
 ときどき、不安だったりするからかなぁ

 ずっと、そばにいようか

 んー、

一瞬、Hはうつむいて手のひらに視線をおとした


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