現代詩人/……とある蛙
 
僕は詩を書く。死ぬ間際まで
誰かに誉められることもなく

僕は詩を書く世界のために
今は何かが変わらなくとも

僕は詩を書く何かのために



ところが、
目的を見失って
言葉が中空を漂い
自己満足な形象になり、




いわく新しい表現
言い換えると人が知らない過去の表現
というか言葉にならない言葉

いわく斬新な発想
言い換えると独自の見解に基づく発想。
というか誰も言い出す訳のない発想

いわく深みのある表現
言い換えると浅いが泥沼にはまった表現
というかよさを気づかせないくらい深い穴蔵に潜り込んだ表現

いわく普遍性のある発想

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