現代ホラー映画 2011年 夏の10選/古月
ン・キングはこれにずいぶんと不満らしく、あとから自分で作り直しちゃったけど……。
この映画、佇まいはホラーというよりもむしろ文芸映画のそれであり、恐怖映画を期待して見始めた多くの人は、この物語が非常に淡々と進行することに拍子抜けするかもしれない。だが、それが逆に罠なのだ。
地を這うようなローテンションの不安感をベースに、随所で突如挿入される不穏なシークエンスの数々が不安の種となって心の奥底深くに播かれていく。そして、その不安の種は最後まで芽を出すことなく、心の中で腐ったまま終わる。ななな、なんだってー! この映画は伏線回収や論理的帰結のようなものを一切放棄している! そして、その「えええー」み
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