午後の雨脚/たま
き返す
うん、好きだよ
あたしみたいだから?
ん・・。どこが?
あー、なによぉ。わからないの?
ごめん、教えて・・
午後の雨脚が強くなってキッチンの灯りだけをともす
せまい部屋はそれで十分だった
乾きはじめた紫陽花のちいさな花芯がひとつ汗ばんだ
テーブルに落ちていた
今日のHはなぜかからだが重い
疲れてる?
ちょっとね
仕事か?
うーん、でもないかな
もうすぐ生理だから
めずらしく嘘をつくHのくちびるをふさいでそのまま
重いからだを抱き起こす
軋むベッド
ここから先は嘘はいらない
ベッドのうえで嘘
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