妖怪と街灯/竜門勇気
見慣れない老人には決して声をかけてはいけない。老人は聞いたこともない童謡をいつも歌ってるんだ。怖いよー!
「藁こがにおくか?」「藁こがにおくの?」
こう訊かれてしまう。
藁こがにおくは一握りの藁を持ってあらわれ、それを置かれた家のものは誰も助からず、不可思議な病に倒れる。
腹はパンパンに腫れ上がり尻は破けてズタズタになってしまうんだ。
死後お腹を別けてみると・・・・・・そうさ、あの藁がワンサカ出てくる。
くづめ小柿が街角に現れると、どんなにけちな人間でも尊大になれる。くづめ小柿の声は優しくて、くづめ小柿の言葉は気持ちを泡立たせてくれる。
ただ、くづめ小柿が手に枇杷の種を持っている
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(0)