十一次元の詩人たちへ/たま
のできない一方通行の世界なんだよ
何もない無から宇宙は生まれたけど
その無が存在した世界はわからない
話はややこしくなるけど
わからないままの無があとふたつあることになる
つまり、きみが生まれる前の無と
死後の無はおなじでないということ
時間の最小単位、イコール
物質の最小単位であることはわかったけど
命の最小単位はわからない
たぶん、生まれて死ぬまでの全時間が
命の単位なのであって
それを細分化することはできないのだと思う
命って単純なんだ
ああ、うるさい雨が降ってきたよ
この雨に打たれて
死んでしまった
きみの細胞は大地に還るだろう
そろそろお別
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