作るに関する覚書と考察/はるな
 

いくつかの作品を作り終えて、わたしはやっとそれに気づいた。何も終わっていなかったのだということ。わたしは、わたし自身を誰かと関係させなければいけなかったのだ。そのための作品であることを、わたしはすっかり忘れていた。どんなに新鮮な写真がそこにあっても、それを介して何事かを語りかけることが出来なければ、その作品は完成されなかった。めまぐるしく生み出される多くの写真の中で、日々の中で、いつの間にか私にとっての作品としての写真はそういう役割でしかなくなってしまった。

もちろん写真を撮ることは今でもある。ただそれは記録の域を出ない。
記録、でもそれはすごく大事なことだ。それはひとつではあまり意味
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