作るに関する覚書と考察/はるな
どうかを導いて、そのためにはどのような手段でそれを視覚化するか、を考えなさいと。さらに写真で表現するのだから、出来るだけ新鮮で、美しいビジュアルを作りなさいと。
その手法は私にはあっていた。物事を少しずつ明確にしていく感じは、とても気持ちが良いものだったし、自分の問題を理解することは、生きていくうえで役に立つことでもあったからだ。そうして学生時代のわたしは、ある問題を問いかける言葉の代わりになり得るものとして、写真を撮っていた。
ただそれだけでは、問題はまったく解決しなかった。
なぜなら、わたし自身の問題は、つくることや生きること以上に、人と関わるということが強く関係していたからだ。
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