もしくは祈りに似た何か/はるな
がする、薔薇とシンナーの香りの消えた茶色い爪を置くわたしのしたの白いソファー
ちりちりと音がして今日と昨日が入れ替わる、その境目にわたしは思い出す、唐突に、ゆっくりと、舐めるように、または祈りのように
昨日は今日ではなく明日でもなく今日は昨日ではないことは確かだけれどそれはいつの間にここへやって来て人々に左右されることなくどこかへ去っていく、やって来て、去っていく、それはいつもそうだ、大きなものに流されるように、やって来て、去っていく
日々を証明することは非常に困難だ、それはたとえば、このちいさなガラスをちいさなガラスだと証明するために、その周りにあるものをひとつずつ、それとは違うものだと証
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