いのちの灯 /服部 剛
の全てを招き
世の人の業を溶かし
光の国から差しのべる
まことの親の両腕は
その魂を、抱き給う 」
*
僕は今、日暮れ前の電車に乗っている。
先ほどふらついた街でネットカフェに入り
君のページで「父親の詩」という文を
プリントした紙の裏側に
このささやかな追悼詩を綴っている。
紙を裏返せば、君の父親が
在りし日に希(ねが)った、詩の世界
とっぷり日の暮れた
夜の海の堤防にともる
いのちの灯よ・・・
棺に横たわり
瞳を閉じて微笑むひとの
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